助成金・申請手順
人材開発支援助成金でAI研修を受ける:
申請の流れ完全ガイド

制度の解説記事は多いのに、「結局、いつ・誰が・何を出すのか」が1枚で分かる資料は意外とありません。この記事は、AI研修に人材開発支援助成金「事業展開等リスキリング支援コース」を使うときの申請の流れだけを、時系列で追える形にまとめたものです。制度の金額・要件の全体像は制度の完全ガイドを先にどうぞ。
全体像:3つの提出タイミング
申請は1回では終わりません。「訓練前」「訓練中」「訓練後」の3つの局面に分かれ、それぞれに期限があります。
| 局面 | やること | 期限 |
|---|---|---|
| 訓練前 | 訓練実施計画届の提出(研修のカリキュラム・日程・対象者を添えて) | 訓練開始日の6か月前〜1か月前 |
| 訓練中 | 計画どおりの実施と記録(出席簿・実施記録)。研修費の支払い | 訓練期間中〜支給申請まで |
| 訓練後 | 支給申請(実施記録・支払い証憑を添えて)→審査→支給決定 | 訓練終了日の翌日から2か月以内 |
最重要の期限は計画届の「1か月前まで」です。これを過ぎた研修は対象になりません。研修会社と日程を決める前に、この逆算から始めてください。
ステップ1:対象になるかを確認する(社内・15分)

- 雇用保険の適用事業所である
- 受講させたい社員が雇用保険の被保険者である(役員のみの受講は対象外になる場合があります)
- 訓練が「事業展開・DX・グリーン化」に関わる内容である。AIを業務に導入して仕事のやり方を変える研修は、DXに関わる訓練として位置づけやすい類型です
ステップ2:要件を満たす研修を選ぶ
制度側の基本要件は「10時間以上のOFF-JT」「対面または同時双方向型オンライン」です。ただし令和8年8月3日以降に提出する計画届では、内容の要件が加わりました。DX化に関する訓練であっても、職務に間接的にしか必要でない内容や、職業人として共通して必要な内容は対象外です。厚生労働省の改正リーフレットでは、汎用的なプロンプトの作り方を学ぶ訓練が対象外の例、営業担当者向けに商品提案書の作成方法を学ぶ訓練が対象の例として示されています。判定の詳細はAI研修が助成金の対象外になる条件にまとめました。
あわせて、同一の労働者が助成を受けられる受講回数は一の年度で3回まで(うちeラーニングは1回まで)になっています。年度内に複数の研修を予定している場合は、どれに助成金を充てるかを先に決めてください。
研修会社側が次の書類を用意できるかも、契約前に確認します。ここが揃わないと後の支給申請で詰まります。
- カリキュラム(時間数・内容が分かるもの)
- 実施記録・出席簿(実施の証拠)
- 理解度確認・修了証(訓練の成果の証拠)
- 受講料等の価格設定に関する疎明書(様式第28号)への対応。計画届の提出日にかかわらず、経費助成を申請する場合に必要な書類で、通常価格と価格設定の根拠を示せる資料について研修会社側の協力が要ります
研修の選び方全体は主要6社の比較記事にまとめています。
ステップ3:訓練実施計画届を出す(会社→労働局)
提出者は会社です(研修会社ではありません)。管轄の労働局へ、訓練開始日の6か月前から1か月前までに提出します。添付するのは研修会社から受け取るカリキュラム・日程と、対象者の情報など。様式は厚生労働省のページからダウンロードできます。
提出先は事業所の所在地で変わります。例として、東京都の会社は東京のAI研修・助成金確認先、大阪府は大阪のAI研修・助成金確認先、京都府は京都のAI研修・助成金確認先に、実施形態と管轄労働局をまとめています。
ここで社会保険労務士との役割分担を整理しておきます。申請書類の作成・提出を有償で代行できるのは社労士の独占業務です。顧問社労士がいれば依頼するのが確実、いなければ自社で作成して提出することもできます(無償の範囲で研修会社が「必要書類の提供」まで行うのは通常の役割です)。「申請までまるごと代行」をうたう研修会社には注意してください。
ステップ4:実施と記録(ここで差し戻しの芽を摘む)

- 計画届どおりの日程・時間で実施する。日程変更をしたら労働局へ変更の届け出を行う(無断変更は不支給の典型原因)
- 出席簿は毎回、受講者本人の記録を残す
- 研修費は会社がいったん全額支払い、振込記録・請求書・領収書を保管する
- 訓練時間中の賃金を通常どおり支払う(賃金助成の前提)
ステップ5:支給申請(訓練終了後2か月以内)
実施記録・出席簿・支払い証憑・賃金台帳などを添えて支給申請します。審査を経て支給決定されると、経費助成(中小企業75%・10時間以上100時間未満は1人30万円上限)と賃金助成(中小企業1人1時間1,000円)が振り込まれます。審査で決まるため、支給は保証されません。契約時支払額と助成条件は確認方法を参照してください。
よくある差し戻し・不支給の原因6つ
- 計画届の提出が訓練開始1か月前を過ぎていた(典型的な失敗で、そもそも受理されません)
- 日程変更を届け出ないまま実施した
- 出席簿・実施記録の不備(署名漏れ・時間の記載漏れ)
- 支給申請の期限(終了後2か月)を過ぎた
- eラーニング型を選んでいて賃金助成の対象外だった
- 訓練内容が汎用的で、令和8年8月3日改正後の内容要件を満たさなかった(対象外の時間を除くと実訓練時間数が10時間に届かない場合も含みます)
いずれも「制度が難しい」のではなく「期限と記録の管理」の問題です。逆にいえば、期限をカレンダーに入れ、記録を研修会社が標準で用意してくれれば、中小企業の自社申請で十分に完走できます。
期限から逆算した現実的なスケジュール
本コースは令和8年度末(2027年3月31日)で終了予定の時限措置です。2027年3月までに研修を終えるなら、遅くとも2027年1月には計画届を出し、2026年内に研修会社と内容を固めておく必要があります。検討はいま始めるのが現実的です。
よくあるご質問
計画届は誰が提出しますか?
提出者は研修を受けさせる会社です。研修会社ではありません。管轄の労働局へ、訓練開始日の6か月前から1か月前までに提出します。申請書類の作成・提出を有償で代行できるのは社会保険労務士の独占業務のため、顧問社労士に依頼するか、自社で作成して提出します。
2026年8月3日の改正で申請手続きは変わりましたか?
提出時期や必要書類の枠組みは変わっていません。変わったのは対象になる訓練の内容と、同一労働者の受講回数の上限です。令和8年8月3日以降に提出する計画届では、DX化に関する訓練であっても汎用的な内容は対象外となり、受講回数は同一労働者につき一の年度で3回まで、うちeラーニングは1回までとなります。
日程を変更したらどうすればよいですか?
計画届どおりに実施できない場合は、労働局へ変更の届け出を行います。無断で日程や内容を変更したまま実施することは、不支給の典型的な原因です。研修会社の都合による変更でも、届け出は会社が行います。
支給申請にはどのくらいの期間がありますか?
訓練終了日の翌日から2か月以内です。実施記録、出席簿、支払い証憑、賃金台帳のほか、経費助成を申請する場合は受講料等の価格設定に関する疎明書(様式第28号)も必要です。期限を過ぎると受け付けられません。
申請スケジュールごと、無料診断で整理します
当社のClaude Code実務導入研修(12時間・同時双方向型)は、本コースの対象となり得る設計で、申請に必要な研修側書類を標準で用意しています。無料AI業務診断では、御社の日程から逆算した申請スケジュールもあわせてお渡しします。
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